2021年5月1日に発売された、音楽系YouTuberみの氏の初書籍『戦いの音楽史』
発売前から楽しみにして読んだんですが、めっちゃくちゃ面白かったです。
こんなことはあんまないんですが面白過ぎて1日で読み終えました。そんぐらい面白かった。
『戦いの音楽史』は、音楽に精通するみの氏が20世紀のポップスの歴史を解説した本。YouTubeでも濃い内容の音楽解説動画を投稿しているみの氏なので、『戦いの音楽史』も読む前から期待感があったんですが、やはり流石の内容でした。
もう濃い濃い。想像の10倍くらいの濃い内容でした。
よくあるYouTuber本のレベルではなく、これは完全に論文や歴史本に位置付けられます。
ということで本記事では、そんなみの氏の初著作『戦いの音楽史』を読んだ感想を書いてみたいと思います。『戦いの音楽史』気になってるけどまだ買ってないって人は参考にしてみてくださいね。
この本はロック史・音楽史に興味がある人には最高の入門書だと思います。オススメですよ。
・みの『戦いの音楽史』を読んだ感想
・『戦いの音楽史』を読むと理解できること3選

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contents
『戦いの音楽史/みの』はロック史を勉強するのに最適
みの氏の『戦いの音楽史』想像の10倍面白かった。面白すぎてマジで1日で読み終えた。ポップスの歴史を通史で解説した本ってほかに無いんじゃなかろうか。面白いくらいにポップスの歴史が理解できて、音楽への興味の幅が劇的に広がる紛れもない名著です。#戦いの音楽史 #みの pic.twitter.com/rcPsm7cVgy
— ねここしゃん|多趣味なブロガー (@banbanuwa) May 13, 2021
『戦いの音楽史』はよくあるYouTuber本じゃない。教科書レベル。
『戦いの音楽史』はよくあるYouTuberが出すような本のレベルではありません。
別にYouTuber本を批判してるわけじゃないですが、『戦いの音楽史』の内容の濃さは完全に「論文」や「歴史本」に位置付けられます。まじで教科書載っていいレベル。
学校に「20世紀のポップス史」という授業があるなら間違いなく教科書に採用されます。
普段から濃い内容の動画を投稿しているYouTuberであるみの氏。
本書の内容は、そんなみの氏の普段の動画の内容を10倍くらい濃くした感じをイメージしてもらえばいいと思います。
とか思ってる人はご心配なく。
死ぬほど内容濃いのし、読みごたえ抜群ですので。
『戦いの音楽史』まじで面白過ぎて1日で読んだ
冒頭でも書きましたが、『戦いの音楽史』面白過ぎて1日で読み終えてしまいました。
内容の面白さはさることながら、文学に精通しているみの氏だからでしょうか、さすがの文章力と分かりやすい構成でスラスラと読めてしまいましたね。
あと、普段からみの氏のYouTubeを観ている人にとっては聞き覚えのあるワードや言い回しなんかも随所に散りばめられていて楽しめました。
例えばみの氏は、音楽ジャンルの一つ「グランジ」を説明するときに、よく「パンクロックとサバスの結婚」という言い回しをします(この言い回し自体はグランジの解説の時のよく使う文言みたいですが)。
このような”動画で出てきたワード”が文中にも頻繁に登場するので、本書籍を読むことで普段の動画の内容との”答え合わせ”をしているような感覚になって面白かったですね。
夢中で読んで、気がつけば1日で読み終えてしまいました。
と、ここまで本書全体の感想をざっくりと紹介しました。
ここからはより具体的な内容についても言及していきたいと思います。
みの『戦いの音楽史』を読んだ感想
ということでここからは『戦いの音学史』を読んだ具体的な感想について書いていきます。
冒頭で「音楽の興味がある人にとって最高の入門書」と書きましたが、具体的には以下の3つの事が深く理解できるんです。
『戦いの音楽史』を読んだら・・・
- 20世紀の音楽の歴史を辿ることができる
- ”音楽ジャンル”が手に取るように理解できる
- 各年代、各ジャンルのスターを理解できる
詳しく解説していきますね。
①20世紀の音楽の歴史を辿ることができる

まず『戦いの音学史』を読むと20世紀のポップスの歴史を深く理解できます。
『戦いの音学史』ではポップスの誕生から発展までが通史で解説されています。1920年代から90年代まで歴史を辿るように解説(しかもわかりやすく)しているので、
と頭の中で整理がしやすいんです。
そしてここからが『戦いの音学史』最大の特徴でもあるのですが、この本ではポップスの歴史を同時代の社会情勢と関連づけて解説・考察しているんです。
これはどういうことかというと、ロックやブルース、R&Bといった音学の歴史を同時代の政治や経済、社会問題と関連づけて解説しているんですね。
具体的には、人権問題・黒人奴隷問題・LSD(ドラッグ)・ヒッピーなどなど・・・。
世界史の授業で習ってきたようなこととポップスの歴史を繋げて理解できる内容になっているんですね。
なので『戦いの音楽史』を読むと、
ということを学べるんです。
みの氏の有名な動画「ロック史解説」でも当時の歴史的背景や社会問題と関連づけて音楽を解説していますが、本書ではあれをさらに10倍くらい内容を濃くした感じの内容になってます。
②”音楽ジャンル”が手に取るように理解できる

次に『戦いの音学史』を読むと、僕らが理解しているようでできていない”音学のジャンル”を理解することができます。それも手に取るように。
”音楽のジャンル”っていうのはブルースとかパンクとかサイケとかR&Bとかああいうやつですね。
って聞かれたら説明できなくないですか?
それが『戦いの音学史』を読むと手に取るように理解できます。
あと音学素人からするとパンクとかブルースとかのR&Bとかの”音学ジャンル”って、なんか突発的にポンって生まれたんだろうて思っちゃうんですけど、実際は全然違うんですよね。
そもそも20世紀の音学史っていうのは、奴隷として働いてた黒人たちが歌っていた労働歌から始まっていて、それが後に「ブルース」と呼ばれるようになった。そこから「ゴスペル」が生まれて、「ソウル」が生まれて、「ロック」が生まれて・・・というように派生していったんです。
この本を読めば、全ての音学ジャンルには”繋がり”があって、なんとなく突発的に生まれたわけではないということがでよく理解できます。
③各年代、各ジャンルのスターを理解できる

最後に『戦いの音学史』を読むと、20世紀音学史の各年代、各ジャンルのスターを理解することができます。
音学史を理解する上でその時のスターを理解することが不可欠です。
『戦いの音学史』を読めば、
ってことが理解できるようになります。
本書が面白いのが、通史で音学史を解説しているので「プレスリーがロックを発展させ、チャックベリーがロックにギターを持ち込み、そんなチャックベリーに死ぬほど影響を受けたのがジョンレノン」といったように誰が何にどのような影響を受けたのかがすごく分かるんです。
あとありがたいのが巻頭付録の「みの選 20世紀ポップス名盤50」
これはポップスが誕生した1920年代〜1990年代までで「これを聴いておけば20世紀の音学史が理解できる」という名盤を解説付きで紹介したもの。
素人からしたらこれほどありがたいものはありません。
音学史を知る上では絶対に欠かせない名盤を紹介してくれているので、僕も現在進行形でこれらのアルバムをサブスクで聴き漁っています。
まとめ:20世紀の音学史が一本の線で繋がる
本記事では『戦いの音楽史』を読んだ感想について書いてきました。
みの『戦いの音楽史』は20世紀の音楽史に興味がある人にとっては最高の入門書であると断言できます。
音楽ってついつい自分が好きなアーティストばかりを聴いてしまっていて、それ以外のアーティストやジャンルは食わず嫌いってことがあると思うんです。
でも本書を読んで、もっと知らないジャンルや食わず嫌いだったアーティストも聴いて見ようと思えました。
現に僕は「サイケ」と呼ばれるジャンルを「なんか変な効果音ばっかで曲も長くてよくわからん」と勝手に思っていたんですが、本書を通してサイケというジャンルがなぜ生まれてどう派生していったかを学んで興味を持ったんです。
んで結果、ドアーズにめちゃくちゃハマりました(笑)ジムモリソンカッコよすぎです。
こんな感じで音楽の歴史を知ることで自分の音楽への興味の幅を再確認することにも繋がるんですよね。食わず嫌いはもったいないと実感しました。
みの氏の『戦いの音楽史』を読めば20世紀の音楽の歴史を一本の線で繋げて理解することができる紛れもない名著です。自信を持ってオススメできます。当記事を読んで興味を持ったらぜひ読んで見てね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!